ペットの遺体は土葬できる?火葬との比較と選び方
ペットの最期をどのように見送るかは、多くの飼い主にとって大切な選択です。遺体を土葬する方法と火葬する方法にはそれぞれの特徴があります。本記事では、土葬と火葬の違いや注意点を比較し、飼い主がどちらを選ぶべきか考えるポイントを解説します。ペットを心から送り出すために、最適な方法を見つけましょう。
ペットの遺体は土葬できるか?
ペットの土葬とは、火葬せずにそのまま遺体を自宅の庭などに埋葬する方法で、ペットとのお別れをするひとつの形です。亡くなったペットを身近な場所に埋めて、いつまでも一緒にいたいと考える飼い主の方も少なくありません。
結論からいえば、自宅の庭などの私有地であれば、ペットの土葬は法的に問題ないとされています。しかし、私有地以外の場所、たとえば公園や公共の土地での土葬は、法律によって禁止されているので注意してください。
土葬するケースは減少している
近年では、ペットを土葬するケースは減少しているのが現状です。減少の背景には、いくつかの理由があります。まず、ペットを家族の一員とみなす考え方が一般的になり、人間と同じように丁寧に供養したいと考える人が増えたためです。
また、現代の日本では、マンションやアパートといった集合住宅に住む人が増え、土葬するための私有地を持つ家庭自体が減少している点もあげられます。さらに、遺体が土のなかで腐り、それが地下水を汚染するといった公衆衛生上の問題や、臭いが発生するリスクも土葬を避ける理由のひとつとなっています。
以上のさまざまな事情を背景に、ペットの土葬は私有地であれば許可されているものの、実際に土葬を選ぶ家庭は減少しているのです。
ペットを土葬する際の重要な注意点
ペットを土葬する際には、いくつか重要な注意点を考慮する必要があります。以下で4つの注意点を見ていきましょう。
動物の遺体は廃棄物として扱われる
残念ですが、動物の遺体は法律上は廃棄物として扱われます。そのため、私有地以外の場所でのペットの土葬は不法投棄にあたり、法律違反となるのです。公園や道路など公共の場所では絶対に土葬を行ってはいけません。
土に還るまでには数十年かかる
土葬した遺体が完全に土に還るまでには数十年かかるとされています。ペットが安らかに眠ることを願って埋葬しても、野生動物が遺体を掘り返してしまうリスクは完全に排除できません。土葬場所の選定には十分な配慮が必要です。
場合によっては掘り返す必要がある
土葬した土地から引っ越しをする場合や、その土地を手放す際には遺体を掘り返す必要が生じることがあります。しかし、長期間埋葬されていた遺体を掘り返す際には、周囲に悪臭が広がり、周辺環境に影響を与える恐れがあります。衛生面やニオイの問題から、遺体の掘り返しはあまり推奨されません。
近隣住民とトラブルになる可能性も
土葬した場所に害虫が集まったり、腐敗によって発生した異臭が近隣住民とのトラブルに発展する可能性もあります。遺体を埋める場所は隣家との距離ができるだけ離れた場所を選びましょう。もし適切な場所を選ばなければ、近隣との不和を引き起こし、予期せぬ問題が発生しかねません。
土葬以外でペットとお別れする方法
土葬は許可されているものの、さまざまな理由から難しい場合もあります。しかし、ペットを供養する方法は土葬だけではありません。ここでは、そのほかの供養方法として広く行われている「ペット火葬」について紹介します。
ペット火葬は、ペットの遺体を焼いてお骨を取り、供養する儀式です。ペット葬儀社やペット霊園に依頼すれば、ペットを人間と同じように大切に見送ることができます。近年多くの飼い主が選ぶ供養方法となっており、プランも複数用意されています。
合同火葬
ほかのペットと一緒に火葬を行い、その後、合同墓地に遺骨を埋葬するプランです。この方法は比較的費用が抑えられますが、供養は合同で行われ、個別の遺骨の返却はありません。
個別火葬
ペット1匹の遺体を、ほかのペットとは別に個別で火葬するプランです。飼い主が希望すれば、火葬後に遺骨を返却してもらい、自宅での手元供養も可能です。
立会火葬
飼い主が火葬の場に立ち会うプランです。最後の別れを見届けたいという飼い主にとって、ペットとの最期の時間を共有できる大切な儀式となります。
移動火葬
火葬炉を搭載した専用の車が自宅やペットとの思い出の場所まで来て、その場で火葬を行うプランです。忙しい飼い主や、自宅で静かに見送りたい方に適した選択肢でしょう。
ペット火葬のタイミング
ペットの火葬は、亡くなってから2日から10日程度が適切なタイミングとされます。とくに夏季や病死の場合は腐敗が進みやすいため、できるだけ早めに火葬を行うのが望ましいです。
火葬を依頼する際には、火葬プランの内容や費用、火葬場所、遺骨の返却方法をしっかり確認しましょう。また、火葬後に遺骨を手元に残したい場合は、遺骨カプセルや遺骨ペンダントなどのグッズ加工を施せば、ペットを身近に感じ続けられます。
まとめ
ペットとのお別れには、土葬や火葬などさまざまな方法があります。土葬は私有地であれば可能ですが、法律や衛生面、近隣との関係を十分に考慮してください。一方、火葬はペット葬儀社などを通じて多くの飼い主が選ぶ供養方法として広まっており、個別火葬や立会火葬など、ニーズに合わせたプランが用意されています。大切なペットを心から見送るために、環境や家族の事情を踏まえた最適な供養方法を選びましょう。